今や知らない人はいないぐらい有名な『ストレス』。
その一方で、ストレスを正確に知っている人はどれぐらいいるでしょう?
多くの場合、経験から『環境や出来事が原因となって、嫌な気分や体調不良が起きる』というような、原因と結果の関係だと思われているようです。

これは、間違いではありませんが、重要な要素が抜け落ちています。
実際ストレスは、『ストレッサー』『ストレス反応』『ダメージ』という3つの要素で構成されています。
聞き慣れない言葉かも知れませんので、具体的に説明していきましょう。

まずは『ストレッサー』。
環境や対人関係、出来事など、ストレスの原因となるものがこれに当たります。
これは、ストレスの外的要因、つまり自分以外の要因ということですね。

そして『ストレス反応』。
考え方や捉え方と言い換えるとイメージしやすいでしょうか。
これは、ストレスの内的要因、つまり自分自身の受け取り方です。
目の前のストレッサーが自分にとってどのようなものなのか、自動的に判断されています。

最後に『ダメージ』。
これは、ストレス反応の結果です。
そして、ネガティブなストレス反応の場合はダメージを受けますが、ポジティブな場合はステップアップにつながることもあります。

ストレスに直面したとき、『原因(ストレッサー)』と『結果(ダメージ)』の間に『捉え方(ストレス反応)』が介在することが重要なポイントです。

言われてみれば、経験的に何となくわかっていたことではないでしょうか。
嫌な出来事があった人に対して『気にすることないよ』などと励ますのは、意図せずともストレス反応へ働きかけていたということですね。

このようなストレスの構造を知っていれば、ストレスを抱えたとき『ストレッサー』『ストレス反応』どちらにアプローチすればよいのか、より効果的に対策を立てることができます。